2026.02.17
床塗装の耐荷重はどこで決まる? 下地処理を省くと起きること
床塗装を検討するとき、フォークリフトが走るから耐荷重が心配、機械を置く予定だけど床は持つのか不安、こんな悩みが出やすいです。カタログに強いと書いてあっても、自分の現場で同じように持つのかは別の話です。しかも工期や予算の都合で下地処理を省けないかと考えた瞬間に、後から剥がれや割れが起きないかも気になってきます。耐荷重は塗料の種類だけで決まるわけではなく、床の状態や荷重のかかり方で結果が変わります。この記事では、耐荷重がどこで決まるのか、下地処理を省くと何が起きやすいのかを、現場で判断しやすい形に整理します。
■ 耐荷重と床塗装の関係を最初に整理します
床塗装の耐荷重と聞くと、塗膜が何トンまで耐えられるかを想像しがちです。ただ実際は、床全体の構造や使い方とセットで考える必要があります。最初にここを整理しておくと、材料選びや見積もりの見方がぐっと分かりやすくなります。
- 耐荷重は塗膜だけで決まらず床全体の性能として考えます
塗床はコンクリートの上に樹脂の層をつくり、摩耗や汚れ、薬品などから床を守る役割があります。ただ荷重を最終的に受け止めるのは下地のコンクリートです。塗膜が強くても、下地が弱っていたり、表面の脆い層が残っていたりすると、荷重で浮きや剥がれが起きやすくなります。耐荷重は塗膜単体の強さというより、下地と塗膜が一体で働けるかどうかで決まります。
- 人や台車とフォークリフトでは負荷のかかり方が変わります
同じ重さでも、どんな物がどう動くかで床への負担は変わります。人の歩行は荷重が小さく、接地面も比較的広いです。台車は車輪が小さくなるほど点に近い力がかかり、床に食い込みやすくなります。フォークリフトは車輪荷重に加えて旋回や急停止があり、横方向の力も加わります。耐荷重を考えるときは、重量だけでなく動き方まで含めて見ていくのが大切です。
- 耐荷重と耐摩耗性や耐衝撃性は別物として押さえます
耐荷重が足りていても、摩耗に弱ければタイヤ痕や削れが早く進むことがあります。逆に摩耗に強くても、衝撃に弱いと落下物で欠けや割れが起きる場合があります。現場では耐荷重という言葉がまとめて使われがちですが、本来は耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性などを分けて考えると失敗が減ります。必要な性能を整理してから材料や工法を選ぶのが近道です。
■ 床塗装の耐荷重はどこで決まるのか
耐荷重の答えを一つに決めるのは難しいです。理由は、床の強さが下地の状態、材料、厚み、荷重のかかり方、弱点の有無など複数の要素で決まるからです。ここでは判断の軸になるポイントを順番に見ていきます。
- 下地のコンクリート強度と劣化状況が土台になります
床の土台はコンクリートです。表面が白く粉をふく発塵、過去の塗膜が浮いている、油が染みている、ひび割れが多いなどがあると、塗膜を支える力が落ちます。見た目がきれいでも、表面だけ脆くなっていることもあります。耐荷重を確保するには、まず下地が健全かどうかを確認する必要があります。ここを飛ばすと、上にどれだけ良い材料を載せても長持ちしにくくなります。
- 塗床材の種類と塗膜厚が支えられる力に影響します
塗床材にはエポキシやウレタン、樹脂モルタルなどがあり、硬さや粘り、厚みの取り方が変わります。一般的に、薄い塗膜は美観や防塵には向きますが、強い荷重や衝撃が続く場所では厚みが足りないことがあります。反対に厚膜は強度を出しやすい一方で、下地の状態が悪いと厚い分だけ剥がれたときの影響も大きくなります。材料と厚みは、荷重条件と下地条件に合わせて決めるのが基本です。
- 荷重のかかり方が点か面かで必要性能が変わります
同じ重量でも、接地面積が小さいほど床への圧力は大きくなります。ラック脚やジャッキベースのように点で支える場合は、局所的に強い力がかかります。フォークリフトも車輪で点に近い荷重が繰り返し入ります。逆にパレットが面で置かれる場合は力が分散します。耐荷重を検討するときは、何トンかだけでなく、どこにどれだけ集中するかを見ておくと判断がぶれません。
- 目地やひび割れや段差の有無が弱点になりやすいです
コンクリートには伸縮目地があり、ひび割れや段差がある現場も少なくありません。こうした不連続な部分は荷重がかかったときに応力が集中しやすく、塗膜の割れや欠けの起点になりやすいです。段差があると車輪の衝撃も増えます。耐荷重を確保したいなら、弱点になりやすい場所を先に補修し、塗床が無理なく追従できる状態に整えることが重要です。
■ 下地処理が耐荷重に効く理由
耐荷重の話になると材料の強さに目が向きますが、実際のトラブル原因として多いのは密着の問題です。塗膜が下地と一体になってはじめて、荷重を分散して受け止められます。その一体化を支えるのが下地処理です。
- 密着不良が起きると塗膜が荷重を受け止めきれません
塗膜がコンクリートにしっかり付いていないと、荷重がかかった瞬間に塗膜がたわみ、端部から浮きや剥がれが広がります。フォークリフトの旋回やブレーキは横方向の力も加わるため、密着が弱いと特に影響が出やすいです。耐荷重を上げたいなら、まず密着を安定させることが近道です。塗膜の強度を上げる前に、土台との結びつきを作るイメージが大切です。
- 研削や研磨で脆弱層を落とし健全な面を出します
コンクリート表面には、施工時にできたレイタンスと呼ばれる脆い層が残っていることがあります。ここに塗っても、弱い層ごと剥がれる可能性があります。研削や研磨は、この脆弱層を削り落として健全な骨材面を出し、塗料が食い込める状態をつくります。見た目を整える作業というより、耐荷重の土台を作る作業です。下地処理の質が仕上がりの安定性を左右します。
- 含水や油分や粉じんの残りが不具合の引き金になります
含水が多い下地では、塗膜の膨れや剥がれが起きやすくなります。油分が染みている床は、見た目では分かりにくくても密着を邪魔します。研削後の粉じんが残っていても同様です。耐荷重を求める現場ほど、荷重が繰り返し入るので小さな密着不良が大きな剥がれにつながります。下地の乾き具合、油の有無、清掃の徹底は地味ですが効いてくるポイントです。
■ 下地処理を省くと起きやすい不具合
下地処理は手間も時間もかかるため、省きたくなる気持ちも分かります。ただ、床は一度不具合が出ると部分補修では追いつかず、結果的に稼働への影響が大きくなることがあります。起きやすい不具合を知っておくと判断しやすくなります。
- 塗膜の剥がれや浮きが発生しやすくなります
最も分かりやすいのが剥がれや浮きです。フォークリフトの走行ライン、出入口、旋回部など負荷が集中する場所から起きやすいです。下地処理が不足すると、塗膜の強度以前に接着面が弱くなり、端からめくれるように剥がれることがあります。剥がれた部分は段差になり、次の欠けや転倒リスクにもつながります。
- タイヤ痕や摩耗の進行が早くなることがあります
下地が平滑でないまま塗ると、塗膜厚が場所によってばらつきます。薄い部分は摩耗が早く進み、タイヤ痕が残りやすくなることがあります。また下地の脆弱層が残っていると、表面が粉をふき、それが研磨材のように働いて摩耗を進める場合もあります。耐荷重だけでなく、日々の見た目や清掃性にも影響が出やすいポイントです。
- ひび割れの追従不足で割れが表面化する場合があります
下地のひび割れを放置して塗ると、上の塗膜にも割れが出ることがあります。特に動きのあるひび割れや、段差を伴う割れは要注意です。材料によって追従性は異なりますが、前提としてひび割れ補修や目地処理が適切でないと、荷重がかかったときに割れが開閉して塗膜が切れやすくなります。割れは水や汚れの入り口にもなります。
- 補修のたびに稼働停止が増えやすい点も注意です
床の不具合は、補修中にそのエリアが使えなくなるのがつらいところです。小さな剥がれでも、フォークリフトの動線にかかれば安全上放置できません。結果として、部分補修を繰り返し、停止時間が積み重なることがあります。下地処理を省いて初期工事を短くしても、後から止める回数が増えると負担が大きくなります。稼働条件が厳しい現場ほど、最初の整え込みが効いてきます。
■ 耐荷重の考え方で押さえたい現場条件
耐荷重を満たすには、現場の使われ方を具体的にすることが欠かせません。車両の種類、置く物、温度や水の有無など、荷重以外の条件も床の寿命に影響します。ここでは担当者の方が整理しやすい観点をまとめます。
- フォークリフトは車輪荷重と旋回が床を傷めやすいです
フォークリフトは重量に加えて、車輪が小さく接地面が限られるため圧力が上がりやすいです。さらに旋回時には横方向の力が入り、塗膜をねじるように傷めます。発進停止が多い場所、荷物を持ち上げたまま切り返す場所は負担が大きくなります。走行ルートや旋回の癖まで見ておくと、必要な塗膜厚や補強の考え方が決めやすくなります。
- ラック脚や機械の据え付けは局所的な荷重に注意します
ラック脚は点で荷重がかかり、床に局所的な圧力が発生します。機械の据え付けも同様で、振動が加わる場合はさらに条件が厳しくなります。こうした場所では、樹脂モルタルなど厚みと強度を出しやすい工法を検討したり、ベースプレートで面荷重に変えたりする考え方が有効です。耐荷重は床全体の平均ではなく、弱い一点で決まることがある点に注意が必要です。
- 温度差や熱水や薬品など環境条件も同時に確認します
温度差が大きい場所や、熱水を流す場所、薬品が落ちる可能性がある場所では、塗膜の選定が変わります。たとえば熱水に弱い材料を選ぶと、荷重以前に膨れや劣化が起きることがあります。薬品も同様で、耐薬品性が足りないと表面が軟化して摩耗が進みやすくなります。耐荷重だけで材料を決めず、環境条件をセットで確認するのが安全です。
- 厨房や冷凍庫は滑りやすさと衛生面も一緒に見ます
厨房は水や油が床に落ちやすく、滑りやすさの管理が重要です。さらに清掃性や衛生面も求められます。冷凍庫は低温下で施工性や硬化性が課題になり、結露や霜も考慮が必要です。こうした場所では、耐荷重だけでなく、防滑性、耐熱水性、低温での硬化などの条件を同時に満たす必要があります。現場の困りごとを先に言語化しておくと材料選びがぶれません。
■ 用途別に選びやすい塗床材の目安
塗床材は種類が多く、名前だけでは違いが分かりにくいと思います。ここでは用途別に検討しやすい目安をまとめます。実際には下地の状態や工期条件も絡むため、あくまで選定の入り口として使ってください。
- エポキシは強度と耐久のバランスを取りやすいです
エポキシ系は硬さと強度を出しやすく、工場や倉庫など幅広い用途で検討されます。塗り方も薄膜から厚膜まで選択肢があり、必要な性能に合わせやすいのが特徴です。一方で、温度変化が大きい場所や、熱水がかかる環境では別の材料が向くことがあります。荷重と環境条件を整理したうえで、厚みや仕上げを決めると失敗が減ります。
- 水性硬質ウレタンは耐熱水性が必要な場所で検討します
厨房や食品工場など、熱水洗浄がある現場では耐熱水性が重要になります。水性硬質ウレタンは、こうした条件を想定して検討されることが多い材料です。臭いが気になる環境でも選びやすい場合があります。床の使い方としては、熱水だけでなく油や洗剤も関係するため、清掃方法まで含めて相談できると安心です。
- MMAは短工期が必要な現場で候補になります
稼働を止められる時間が短い現場では、硬化が早い材料が助けになります。MMAは施工後の使用開始までの時間を短くしやすく、夜間工事や休日工事などで検討されます。低温でも硬化しやすいタイプがあるのも特徴です。ただし現場条件によっては換気や臭いへの配慮が必要な場合があります。工期優先のときほど、下地処理をどこまで行うかの見極めが大切です。
- 樹脂モルタルは段差解消や高い強度が欲しい時に向きます
段差がある床や、欠損がある床を整えながら強度も確保したい場合は、樹脂モルタルが選択肢になります。厚みを確保しやすく、局所的な荷重がかかる場所でも検討しやすいです。ラック脚の周りや、フォークリフトの旋回部など、負担が大きい場所を重点的に強くしたいときにも考え方として合います。下地補修と一体で計画すると効果が出やすいです。
■ 耐荷重を満たすための確認項目と進め方
耐荷重で失敗しないためには、最初の条件整理と現地確認が重要です。材料だけで決めると、現場の運用とずれてしまうことがあります。担当者の方が社内で整理しやすいように、進め方を順序立ててまとめます。
- 必要な耐荷重は車両重量だけでなく積載と運用で決めます
フォークリフトの自重だけでなく、最大積載時の重量を想定する必要があります。さらに、同じ機種でも走行頻度、旋回の多さ、停止位置が固定かどうかで床への負担は変わります。ラックの増設予定や機械更新の予定があるなら、それも条件に入れておくと後戻りが減ります。耐荷重は将来の運用も含めて決めるのが現実的です。
- 現地調査では床の劣化と含水と汚れを確認します
現地では、ひび割れ、欠損、段差、発塵の有無を確認します。油が染みている場所や、薬品が落ちる可能性がある場所も重要です。含水が多いと施工後の膨れにつながるため、乾き具合の確認も欠かせません。床の状態が分かると、下地処理の範囲や補修の必要性が見えてきます。ここが曖昧なまま進むと、工事中に追加が出やすくなります。
- 下地処理の範囲と補修の要否を先に決めると安心です
研削や研磨をどこまで行うか、ひび割れ補修をどうするか、目地をどう納めるかを先に決めると、耐荷重の安定性が上がります。部分的に状態が悪い場合は、全面を同じ仕様にせず、重点箇所を厚くするなどの考え方もあります。下地処理は省くかどうかではなく、必要な範囲を見極めることが大切です。
- 稼働を止められる時間に合わせて工法と材料を選びます
工場や倉庫は止められる時間が限られることが多いです。全面を一度に施工するのか、区画を分けて施工するのかで選ぶ材料も変わります。硬化時間が短い材料を選ぶ場合でも、下地処理や補修の時間は別で必要になります。稼働条件と品質の両立には、工程の組み立てが重要です。無理のない範囲で現場に合うやり方を選ぶのが現実的です。
■ 株式会社レジンテクニカが大切にしている下地処理と施工体制
耐荷重を安定させるには、材料選びだけでなく下地処理の質と現場のすり合わせが欠かせません。株式会社レジンテクニカでは、床工事に特化した経験を活かし、現場条件に合わせた提案と施工を行っています。下地処理を記事の中でも重視しているのは、ここが仕上がりを左右しやすいからです。
- 名古屋市を中心に塗床工事と床面研削や研磨まで自社施工で対応します
塗床は塗る工程だけでなく、研削や研磨、撤去など下地を整える工程が品質に直結します。株式会社レジンテクニカは、名古屋市を中心に床面研削や研磨を含めて自社施工で対応しています。下地処理と塗床を同じ目線で管理できるため、現場の状態に合わせて必要な処置を選びやすい体制です。床の劣化が進んでいる場合でも、撤去や研磨から相談できます。
- 代表が打ち合わせや現場確認に伺い用途に合う材料を提案します
床は用途によって求める性能が変わります。フォークリフトの走行、厨房の熱水、冷凍庫の低温など、条件が違えば選ぶ材料も施工の要点も変わります。株式会社レジンテクニカでは、代表自ら打ち合わせや現場確認に伺い、使い方に合う材料や工法を提案しています。現場の困りごとをその場で共有できると、仕様のずれが起きにくくなります。
- 工場や倉庫や店舗など稼働条件に合わせて工期も相談できます
工場や倉庫は稼働を止めにくく、店舗も営業との調整が必要です。株式会社レジンテクニカは塗床工事の経験を積み重ねており、現場の稼働条件に合わせた工期の相談が可能です。材料によっては短い時間で使えるようにする選択肢もあります。無理に急がず、必要な下地処理を確保しながら、現実的な工程を一緒に考えていく姿勢を大切にしています。
■ まとめ
床塗装の耐荷重は、塗膜の強さだけで決まるものではありません。下地コンクリートの強度や劣化状況、荷重が点でかかるのか面でかかるのか、目地やひび割れや段差といった弱点の有無が組み合わさって結果が変わります。だからこそ、研削や研磨で脆弱層を落とし、含水や油分や粉じんを管理して密着を確保する下地処理が重要です。ここを省くと、剥がれや浮き、摩耗の進行、割れの表面化が起きやすく、補修回数が増えて稼働停止の負担につながることもあります。まずはフォークリフトの運用、ラック脚や機械の据え付け、温度や熱水や薬品の有無など条件を整理し、現地で床の状態を確認してから仕様を決めると安心です。株式会社レジンテクニカでは、床面研削や研磨を含めた下地処理から一貫して対応し、現場の使い方に合う材料選びを大切にしています。耐荷重や下地処理の考え方を現場に合わせて相談したい場合は、こちらからお問い合わせください。お問い合わせはこちら
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