2025.12.09
その対策、逆効果かも?冬に悪化する工場床のひび割れ
冬場になると、工場の床にひび割れが目立つようになったと感じたことはありませんか。とくに寒暖差が激しい地域では、コンクリート床に微細なひびが入ったり、それが徐々に拡大してしまったりすることがあります。ひび割れを見つけて応急的に補修しても、なぜかすぐにまた割れてしまうというケースも少なくありません。
実は、冬の時期に行う補修作業には注意が必要です。気温や床材の特性を理解せずに処置を行うと、かえってひび割れが進行する場合もあるためです。
この記事では、冬に工場床のひび割れが起きやすくなる理由や、対策として気をつけるべき点、さらには誤った補修方法のリスクについても詳しく解説します。実際の現場で役立つ床材や施工の工夫もご紹介していきますので、これから補修や塗床工事を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
■ 冬に工場床のひび割れが増える理由とは
冬になると、工場床のひび割れが目立つようになるのには明確な理由があります。気温の変化や湿度の低下、床材の性質など、いくつかの要素が重なることで、床の劣化が進行しやすくなるためです。この章では、冬場にひび割れが起こる原因について、代表的な3つの要素に分けて詳しく解説します。
- 寒暖差による収縮と膨張
気温の変化が大きい冬場は、コンクリートやモルタルといった床材が、日中と夜間の寒暖差で伸縮を繰り返します。とくに冷え込みの激しい朝晩は、素材が収縮して微細なクラック(細かなひび)が発生しやすくなります。一見目立たないこれらのひびも、繰り返される伸縮によって徐々に拡大していきます。
また、外気と室温との差が大きい工場内では、局所的にひび割れが発生しやすくなる傾向もあります。フォークリフトなどの機械が頻繁に行き交う床では、すでにできた微細なひびに振動や衝撃が加わることで、ひびがさらに広がる原因となります。
- 床材の性質と気温の関係
床に使用されるコンクリートやモルタルは、気温が下がることで乾燥しやすくなり、表面に細かな亀裂が生じやすくなります。冬の乾燥した空気は、床の表層水分を奪い、早期にひび割れが起こる要因になります。さらに、施工時の気温が低すぎると、塗料や樹脂の硬化がうまく進まず、十分な強度を得られないまま使用されることもあります。
このように、気温と湿度のバランスが床材の性能に大きな影響を与えるため、冬場の施工や点検には特に慎重さが求められます。
- 結露や凍結による影響
冬の時期、工場の出入口付近や外気に近い場所では、床面が冷えて結露が発生することがあります。この水分がひび割れや目地などに入り込み、さらに気温が下がることで凍結すると、内部から圧力がかかり、床材が破壊されることがあります。いわゆる「凍害」と呼ばれる現象で、目に見えない内部のダメージが蓄積されると、表面に大きなひびが現れるケースもあります。
とくに冷凍・冷蔵倉庫のように極端な低温環境では、これらの凍結ダメージが進行しやすいため、定期的なチェックと保守が重要です。
■ ひび割れの放置が引き起こす問題
工場床のひび割れを見つけても、すぐには影響が出ないように見えるため「そのままにしておいても問題ないのでは」と思われることがあります。しかし、小さなひびでも放置することでトラブルに発展し、結果として修繕コストや稼働効率に大きく影響することがあります。この章では、ひび割れを放置することでどのようなリスクが生じるのかを解説します。
- 安全性の低下と転倒リスク
ひび割れのある床面は、見た目以上に滑りやすく、段差や欠けが生じている場合には、作業者がつまずいて転倒する可能性も高まります。特に、荷物を運搬中やフォークリフトが通行するルート上にひび割れがあると、安全管理上の重大な問題になりかねません。
また、ひびから剥がれた細かな破片が床面に残ることで、作業現場の衛生環境にも影響を及ぼすことがあります。特に食品を扱う工場では、異物混入のリスクとして見過ごせません。
- 設備や製品への悪影響
床のひび割れが進行すると、床の凹凸により搬送機器やフォークリフトが振動を受けやすくなります。これにより、運搬中の製品に傷がついたり、振動によって設備に負荷がかかり、不具合を招くこともあります。
とくに精密機器や重量物を扱う現場では、床の状態が機器や製品の品質に直結するため、見過ごすことはできません。小さなひびでも、製造工程や品質管理に悪影響を与える可能性があることを理解しておく必要があります。
- 補修費用の増加リスク
ひび割れを放置しておくと、範囲が広がるだけでなく、床材の内部構造まで傷んでしまうことがあります。このような状態では、表面を塗り直すだけでは十分な補修ができず、場合によっては床材の斫り(はつり)や全面の再施工が必要になることもあります。
初期段階で対処していれば数時間で済んだ工事が、広範囲に及ぶ修繕となると、工場の稼働を止めなければならないケースも出てきます。結果的に補修コストが大きくふくらみ、計画外の支出につながる可能性が高まります。
■ 冬にやりがちな逆効果な補修とは
工場床のひび割れが目立ってくる冬場には、応急的な補修を試みるケースも少なくありません。しかし、気温や床材の状態を十分に考慮せず行われる補修は、かえって状況を悪化させることがあります。この章では、冬によく見られる補修の失敗例と、その背景にある問題点について具体的に紹介します。
- 気温を無視した施工の失敗例
塗料や樹脂には、適正な施工温度が設定されています。冬のように気温が低い時期には、硬化時間が極端に遅くなったり、仕上がりが不均一になったりすることがあります。特に、一般的なエポキシ樹脂は5℃以下では硬化反応が不安定になるため、施工後に表面がベタついたまま固まらず、強度不足につながることがあります。
実際に、冬場に無理やり施工した結果、すぐに再びひび割れが起きたり、塗膜がはがれたりする例も見受けられます。施工環境の温度管理を怠ると、せっかくの補修も効果が長続きしません。
- 適さない材料選定による再劣化
ひび割れ補修に使われる材料は多種多様ですが、冬の気温や湿度に適していないものを選ぶと、十分な接着力や耐久性を発揮できません。たとえば、水分を多く含む床材や結露が発生している場所に、通常の塗料を使用すると、塗膜の内部に気泡ができたり、剥離の原因になります。
また、強度の高い材料であっても、温度による収縮に弱いものを選んでしまうと、翌年以降の冬に再びひびが入る可能性が高まります。材料選びでは、冬の環境下でも安定して性能を発揮するかどうかを確認することが重要です。
- ひび割れの上塗りによる見えない進行
ひび割れ部分を下地処理せず、そのまま塗料を上から塗るだけの補修は、一時的に見た目がきれいになったように見えます。しかし、ひびの中に残った水分やほこり、脆くなったコンクリートが原因で、補修後も内部で劣化が進行しているケースがあります。
このような表面だけの処置では、数週間〜数か月後に塗膜が再び割れたり、剥がれたりするリスクが高まります。とくに冬場は乾燥が不十分になりやすいため、ひびの深さや周辺の状態をしっかり確認したうえで、下地から丁寧に処理することが必要です。
■ 工場床のひび割れを防ぐための対策
冬場に起こる工場床のひび割れは、適切な対策を講じることである程度防ぐことが可能です。ポイントは、施工前の下地処理、環境に適した材料の選定、そして施工タイミングの見極めにあります。ここでは、ひび割れを未然に防ぐために押さえておきたい基本的な対策を紹介します。
- 下地処理の丁寧な実施
ひび割れを防ぐうえで最も重要なのが、施工前の「下地処理」です。床面に残る汚れや古い塗膜、微細なひびをそのままにして塗装を行うと、新しい塗料が密着せず、すぐに剥がれたり割れたりする原因になります。
研削や研磨によって表面を均一に整えることはもちろん、ひびの内部まで適切に処理することで、床材が持つ強度をしっかりと発揮できます。とくに冬のように床が乾燥しやすい時期は、目に見えないレベルの浮きや脆弱部分が増えている場合もあり、下地処理の質が工事全体の仕上がりを大きく左右します。
- 温度変化に強い塗料の選定
冬の施工には、寒さに強い床材や塗料の選定が不可欠です。たとえば、-30℃でも硬化が可能なMMA樹脂や、低温環境に対応した速硬化型の塗料であれば、気温の低い時期でも安定した仕上がりが期待できます。
こうした塗料は、硬化時間が短く、早期に歩行や使用が可能になるため、工場の稼働を止めたくない現場にも適しています。さらに、耐衝撃性や耐薬品性など、使用環境に応じた機能を備えた塗料を選ぶことで、冬に限らず長期的な床の保護が可能になります。
- 施工時期の見極め
気温が著しく低い日や湿度が高い日は、施工を避けた方がよい場合もあります。とくにコンクリートの乾燥や塗料の硬化に影響を与える気象条件では、工事の品質に直接かかわってきます。
事前に天気予報や室温、床面の温度を確認したうえで、安定した条件のもとで施工を行うことが、ひび割れを防ぐためには効果的です。また、どうしても冬季にしか工事が行えない場合には、施工環境を整えるための養生や加温措置を講じるなど、ひと手間かけることが重要です。
■ 冬の施工に適した床材と工法
寒さが厳しい冬の工事では、低温下でも安定して使える床材と、それに合った施工方法を選ぶことが欠かせません。気温が5℃を下回る環境では、一般的な塗料では硬化不良が起きやすく、十分な耐久性を確保できないこともあります。ここでは、冬季施工に適した床材や工法について詳しく見ていきます。
- MMAや低温対応塗料の特徴
MMA(メチルメタクリレート)樹脂は、冬場の施工に適した塗料として多くの現場で使用されています。-30℃の低温でも硬化が可能で、施工から1〜2時間程度で歩行が可能になるほど速乾性に優れている点が大きな特長です。
冷蔵・冷凍設備がある現場や寒冷地での工事では、このような特性を持つ塗料がとくに有効です。加えて、耐薬品性・耐摩耗性にも優れているため、食品加工場や薬品工場など、高い性能が求められる現場にも対応できます。
- 短時間で硬化する塗床工事の利点
気温が低い季節でも、床を長時間使用できない状態にしておくのは現場の運用にとって大きな負担です。こうした状況では、短時間で硬化する床材を選ぶことで、作業の中断を最小限に抑えることができます。
たとえば、MMA以外にも速硬化性を持つ水性硬質ウレタンなどがあり、用途や環境に応じて使い分けが可能です。稼働を止められない工場や倉庫でも、適切な工法を用いれば短期間での施工が実現できます。
- 使用環境に応じた床材の使い分け
気温だけでなく、使用する現場の条件に応じた塗料選びも重要です。たとえば食品関連の施設では、抗菌性や耐熱水性が求められる一方、物流施設では耐摩耗性や衝撃への強さが重視されます。
こうしたニーズに応じて塗料を選ぶことで、施工後のひび割れや剥がれといったトラブルを未然に防ぐことができます。素材の特性を把握したうえで適切に使い分けることが、冬季でも品質の高い仕上がりを実現するための基本です。
■ 株式会社レジンテクニカが行う工場床ひび割れ対策
冬場のひび割れ対策には、現場の状況を見極めたうえでの施工が欠かせません。株式会社レジンテクニカでは、寒冷期でも安定した施工品質を保つために、材料の選定から下地処理、仕上げに至るまで自社で一貫して対応しています。この章では、当社がどのように工場床のひび割れ補修に取り組んでいるのかをご紹介します。
- 下地処理から自社で対応する強み
ひび割れ補修や塗床工事において、下地処理は非常に重要な工程です。株式会社レジンテクニカでは、床の状態を見極めながら、研削や研磨などの下地処理を丁寧に行うことで、塗料の密着性を高め、長期間にわたり耐久性のある仕上がりを実現しています。
作業はすべて自社スタッフが対応しており、床の状態を正確に把握したうえで工程を進めることが可能です。外注に頼らないことで、施工の質とスピードを両立しやすくなります。
- 使用環境に応じた塗料の提案力
当社では、床の使用環境に合わせた塗料の提案を重視しています。たとえば、冬季の施工が必要な工場には、低温でも硬化するMMAや水性硬質ウレタンなど、耐寒性に優れた床材を使用します。また、食品工場や物流倉庫など、求められる性能が異なる施設に対しても、抗菌性・耐摩耗性・耐衝撃性など、最適な性能を持つ塗料を選定しています。
多数の現場経験をもとに、それぞれの課題に応じた材料選びができる点が、当社の強みです。
- 短工期での仕上がりを実現する理由
工場や倉庫の現場では、できるだけ稼働を止めずに施工を終えたいというご要望が多く寄せられます。当社では、事前の現地調査と段取りを丁寧に行うことで、短期間での施工を可能にしています。実際に、条件がそろえば半日〜1日で完了できる現場もあります。
スピードを重視しながらも、品質を落とさないために下地処理から仕上げまで一括で管理していることが、安定した工事を実現できる理由の一つです。
■ まとめ
冬場にひび割れが発生しやすい工場床は、気温変化による素材の伸縮や結露・凍結の影響など、複数の要因が重なることで劣化が進行しやすくなります。見た目には小さなひびでも、放置すれば安全性の低下や設備への悪影響、そして修繕費用の増加といった問題につながることがあります。
とくに注意したいのが、冬の施工に適さない塗料や工法を用いた補修です。気温に合わない材料を選んだり、下地処理を省略したまま塗り重ねてしまうと、補修後すぐに再劣化するリスクが高まります。
こうした状況を防ぐためには、冬の施工条件に適した床材の選定と、丁寧な下地処理が欠かせません。株式会社レジンテクニカでは、使用環境や季節を考慮した材料選びから、下地処理・施工・仕上げまでを一貫して自社対応しています。床の状態に応じて適切な工法を判断し、品質とスピードを両立した施工を行っています。
冬場に工場床のひび割れが気になりはじめた際には、まず現場の状況を確認することが大切です。気になる症状がある場合は、専門的な視点から状態を診断し、適切な対応方法をご提案いたします。施工をご検討中の方は、下記よりお気軽にご相談ください。
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