2025.11.19
滑りやすい床のままで大丈夫?防滑工事で安心・安全な作業環境へ
滑りやすい床のまま作業を続けていて、ヒヤッとした経験はありませんか。工場や倉庫、厨房などでは、水や油、粉塵などの影響で床が滑りやすくなることがあり、思わぬ転倒や事故につながるリスクがあります。特に、フォークリフトや作業者が頻繁に出入りする現場では、足元の安全が作業全体の効率や安心感にも関わってきます。
防滑工事は、こうした滑りのリスクを抑え、安全性を高めるための有効な手段です。床材や用途に合わせた塗料の選定や施工方法によって、滑りにくく清掃しやすい環境を整えることができます。
この記事では、防滑工事が必要とされる理由から、代表的な施工内容、現場別の注意点まで詳しくご紹介します。安全で快適な作業環境づくりの参考として、ぜひ最後までご覧ください。
◼︎滑りやすい床が引き起こすリスクとは
滑りやすい床は、日常的に現場で作業を行う方々にとって、想像以上に大きなリスクとなります。特に工場や倉庫、厨房といった水や油、粉塵などが発生しやすい現場では、足元が滑りやすくなる条件がそろいやすく、注意が必要です。防滑対策が不十分な場合、転倒事故だけでなく、生産活動の停滞や管理面での信頼低下につながることもあります。
- 作業者の転倒事故による労災
床の滑りによるリスクの中でも、最も多いのが転倒事故です。作業中に滑ってしまうと、骨折や捻挫といった怪我だけでなく、重機や工具を伴う事故につながる可能性もあります。労災につながる事例として、厚生労働省の統計でも「転倒」は毎年上位に入っており、防滑性の高い床づくりは、従業員の安全確保に直結します。
- 生産効率の低下や業務停止の可能性
転倒による怪我が発生すると、業務の一時停止や人員の再配置が必要になる場合があります。作業工程がスムーズに進まなくなれば、生産効率が下がるだけでなく、納期の遅延にもつながるかもしれません。また、怪我を防ぐために過度に慎重な動作を求められるようになれば、作業スピードの低下にも影響します。
- 来訪者や外部業者への安全配慮不足
工場や倉庫には、納品業者や点検業者など、外部の人が出入りする機会も少なくありません。その際に床が滑りやすい状態だと、来訪者の転倒事故につながり、信頼関係の悪化や責任問題に発展する恐れがあります。従業員だけでなく、訪れるすべての人にとって安全な環境であることが求められます。
◼︎防滑工事とは?基本的な考え方と仕組み
防滑工事は、床面の滑りやすさを抑えるために行う施工で、作業環境の安全性向上に直結する対策です。特に水や油、粉塵などの影響を受けやすい現場では、床材そのものに防滑性を持たせることが重要とされます。塗料や仕上げ材の選定、下地の状態を見極めた施工により、滑りにくく衛生的な床が実現できます。
- 防滑工事の目的と効果
主な目的は、転倒事故の防止と作業効率の確保です。表面に凹凸や摩擦を加えることで滑りにくい状態を作り、作業者が安心して動ける床面に仕上げます。また、汚れや水分が溜まりにくい加工を施すことで、清掃性が高まり、衛生的な状態を保ちやすくなる点も大きなメリットです。床の素材や使用環境に応じて、防滑の程度や施工方法は調整されます。
- 床材の種類と防滑性の関係
床材にはコンクリート、モルタル、タイル、長尺シートなどさまざまな種類がありますが、それぞれ滑りやすさの特性は異なります。たとえば、コンクリートは水分を含むと滑りやすくなる傾向があり、タイルは表面がツルツルしている場合が多いため、湿気や油で大きく滑るリスクがあります。防滑工事では、こうした素材の特性を踏まえて、適切な塗料や仕上げを選定することが必要です。
- 用途別に異なる防滑対策のポイント
防滑工事は現場の用途によって対策の方向性が変わります。たとえば、厨房や食品工場では水や油に強い塗料が求められ、加えて耐熱性や抗菌性がある仕上げも必要になることがあります。一方、物流倉庫や自動車関連工場では、重量物や車両が通行するため、耐摩耗性や耐衝撃性を重視した施工が求められます。このように、用途や業種に応じて防滑の仕上がりを変えることが、事故を防ぐための第一歩となります。
◼︎防滑工事が求められる代表的な現場
防滑工事はあらゆる業種の施設に必要とされるものですが、特に転倒のリスクが高い現場では欠かせない対策といえます。床に水や油が頻繁にこぼれる、重量物の運搬が多い、車両と人の動線が交差するなど、それぞれの現場環境に応じた防滑性が求められます。
- 食品工場や厨房:水・油による滑り対策
食品を扱う現場では、衛生管理の徹底とともに床の安全性も重要です。厨房や食品工場の床は、常に水分や油分にさらされる環境にあり、滑りやすくなる原因が日常的に存在しています。防滑工事では、水性硬質ウレタンや耐熱性・抗菌性を兼ね備えた塗料を用いることで、濡れた状態でも滑りにくく、清掃もしやすい床が実現できます。
- 自動車関連工場:床の摩耗と安全性の両立
自動車部品や車両そのものを扱う工場では、金属片や油汚れ、重量物の落下などによる床面の摩耗が進行しやすくなります。さらにフォークリフトや工具の使用により、滑りやすい状況も生まれやすくなります。耐摩耗性の高いエポキシ樹脂や、耐衝撃性を考慮した塗床材を使用することで、安全性と耐久性の両方を確保することが可能です。
- 倉庫・物流施設:フォークリフトと歩行者の動線確保
物流拠点や倉庫では、フォークリフトなどの車両と作業員が同じエリアを移動するため、滑りによる転倒事故は大きな問題になります。防滑工事では、車両の走行に耐えうる強度を持ちながら、作業員の足元も確保できる塗料や仕上げ方法が求められます。たとえば、樹脂モルタルを用いた塗床は段差やひび割れを解消しつつ、防滑性を備えた施工が可能です。
◼︎防滑性を高める塗料・仕上げの種類
滑りにくい床をつくるには、使用する塗料や仕上げ材の選定が非常に重要です。防滑工事では、用途や現場環境に応じて多様な塗料が使い分けられ、それぞれに異なる機能性や特性があります。
- 水性硬質ウレタンや樹脂モルタルの特性
水性硬質ウレタンは、無臭で安全性が高く、耐熱水性や抗菌性を兼ね備えた塗料です。厨房や食品工場など、衛生管理が求められる現場に適しています。施工後の表面はややザラつきがあり、濡れていても滑りにくい特性があります。
一方、樹脂モルタルは、厚みを持たせた塗布が可能で、強度と防滑性の両立が求められる倉庫や車両の出入りが多い工場などで使われます。段差の補修も兼ねた施工が可能で、下地調整と防滑を同時に行いたい場合にも適しています。
- MMAやエポキシなど現場に応じた塗料の使い分け
MMA(メチルメタクリレート)は、硬化が非常に早く、施工後1時間ほどで歩行可能になる速乾性の高さが特長です。冷蔵・冷凍施設など、低温下での作業環境にも対応できます。特に、長時間の工事が難しい現場や稼働中の施設での施工に適しています。
エポキシ系塗料は、耐衝撃性・耐薬品性に優れ、摩耗の激しい現場に強い塗膜を形成します。滑り止め用の骨材を混ぜることで、防滑性も付加されます。配送センターや整備工場など、日常的に車両が行き交う施設に多く用いられます。
- ゴムチップなど素材を活かした滑り止め対策
防滑性能を高めるためには、塗料に加えて仕上げの素材選びも重要です。たとえば、ゴムチップを用いた塗床は、柔らかく衝撃を吸収するため、人の歩行が多い通路や店舗、施設のエントランスなどで利用されることがあります。歩行感がやさしく、雨天時の滑りにも強いという特徴があります。
また、防滑性をさらに高めたい場合には、表面にザラつきを出す骨材入りの仕上げも検討されます。素材の選定により、安全性と使用感のバランスを整えることができます。
◼︎防滑工事で見落とせない下地処理の重要性
防滑工事で見落とされがちなのが、施工前の下地処理です。見た目には分かりにくい工程ですが、下地の状態が仕上がりや耐久性に大きな影響を与えるため、非常に重要なステップです。どれだけ高性能な塗料を使っても、下地が適切に整っていなければ、塗膜の剥がれや施工不良を引き起こす可能性があります。
- 下地処理が仕上がりと耐久性を左右する理由
床の表面には、油分、埃、水分、古い塗膜などが付着していることが多く、これらを取り除かずに塗装を行うと、塗料がしっかりと接着しません。適切な下地処理を施すことで、塗料と床面の密着性が高まり、滑りにくさを長期間維持できる施工につながります。逆に、下地処理を怠ると、塗料が早期に剥離したり、ムラが出てしまうリスクがあります。
- コンクリート床の劣化と再施工のリスク
古くなったコンクリート床には、微細なひび割れや表面の粉化が見られることがあります。この状態のまま防滑塗装を行っても、数年以内に剥がれや再施工が必要になることがあり、結果的にコストや工期が増える原因となります。下地の状態を適切に見極め、必要に応じて補修や研磨を行うことで、再施工のリスクを抑えることが可能です。
- 研磨・斫り作業で滑りにくい仕上げを支える
防滑性を保つには、表面に一定の粗さを持たせることが有効です。そのためには、専用機械を使った研磨や斫り(はつり)作業によって、床の表面を整えることが求められます。こうした作業は単に見た目を整えるだけでなく、塗料が安定して密着する下地を作る上で不可欠です。丁寧な下地処理を行うことで、塗装後の防滑性や仕上がりの品質が確保され、長期間にわたって安心できる床に仕上がります。
◼︎防滑工事を検討する際の注意点と選び方
防滑工事は一度施工すれば終わり、というわけではなく、現場の状況や使用頻度に合わせて、長期的に安全性を保つことが求められます。そのため、塗料の選定から施工業者の選び方まで、慎重に判断することが大切です。
- 現場の用途と動線に合わせた設計が重要
まず確認したいのは、その床がどのような使われ方をしているかという点です。たとえば、厨房のように水や油が多く発生する場所と、物流倉庫のように重量物が移動する場所とでは、必要とされる防滑性能が異なります。また、人と車両が交差するような動線がある現場では、安全な歩行エリアの視認性も考慮すべきです。こうした使い方に合わせた設計が、防滑工事の効果を高めます。
- 施工時間や業務への影響を最小限に抑えるには
防滑工事を行うには一時的に作業を止める必要がありますが、稼働中の施設では時間をかけられないケースも多く見られます。施工時間の短さも業者選定の大事な要素です。速硬化型の塗料(例:MMA)や夜間・休日対応が可能な施工体制が整っていれば、業務への影響を抑えることができます。事前に工事可能な時間帯や所要時間を相談しておくと安心です。
- 耐久性・清掃性・安全性のバランスを考慮
防滑性ばかりを重視しすぎると、清掃がしづらくなる場合があります。一方で、清掃性を重視すると、滑りやすい仕上げになることもあるため、使用環境に応じてバランスの取れた仕様を選ぶことが大切です。耐久性にも注目し、日常的な清掃や軽微な補修で長持ちする床材を選ぶことで、維持管理の手間も抑えられます。安全性・衛生面・作業効率のバランスを意識した設計が理想的です。
◼︎株式会社レジンテクニカの防滑工事の特徴
防滑工事は、安全性と耐久性を両立させるために、床の状態や使用環境に応じた施工が求められます。下地処理から仕上げまで一貫して自社で対応することで、安定した品質と柔軟な対応を実現しています。現場に合わせた塗料の選定や施工技術を活かし、工場や倉庫など多様な現場に対応してきた実績があります。
- 下地処理から一貫施工で安定した品質
防滑工事は、下地の状態を正確に見極めることから始まります。コンクリート面にひび割れや浮きがある場合は、研削・斫り・補修を行ったうえで塗床を施工します。これにより塗料の密着性が高まり、仕上がりの均一性や耐久性を保つことができます。全ての工程を自社で行うため、施工中の細かな調整や現場ごとの対応もスムーズです。
- 用途に応じた塗料の選定と技術力
塗床に使用する塗料には、水性硬質ウレタン、樹脂モルタル、エポキシ、MMAなど多様な種類があり、それぞれに特性があります。工場の稼働状況や床にかかる負荷、必要な防滑性能などを総合的に判断し、最適な塗料と仕上げを提案しています。たとえば、厨房では耐熱性と防滑性を備えた水性塗料を、物流倉庫では耐摩耗性に優れた厚膜仕様を用いるなど、現場に合わせた施工が可能です。
- 短時間施工で営業・作業への影響を軽減
時間的な制約がある現場にも対応できるよう、短期間での施工にも力を入れています。たとえば、MMA塗料を使用した場合、施工後1時間ほどで歩行が可能となるため、工場の稼働を極力止めずに施工することができます。また、夜間や休日の工事にも対応可能ですので、作業スケジュールに合わせた柔軟な施工が行えます。こうした対応力が、安全な現場づくりを支えています。
◼︎まとめ
滑りやすい床は、思わぬ事故や作業効率の低下を招く原因となります。特に食品工場や自動車関連工場、物流倉庫のように人や車両の動きが多い現場では、安全対策として防滑工事を検討することが重要です。
防滑性を高めるためには、塗料や素材の選定だけでなく、下地処理の丁寧さが仕上がりに大きく影響します。床面の状態をしっかり見極めたうえで施工することで、滑りにくく、長く使える床を実現できます。
株式会社レジンテクニカでは、下地処理から仕上げまで自社一貫施工にこだわり、現場の用途に応じた最適な塗床工事を行っています。短時間施工にも対応しておりますので、安全で快適な作業環境づくりを検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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